【もしもし、お母さん。お母さんに会いたい。お母さんどこ?】迎えに来て!今日お母さんが来ると思って…

 

私が結婚を母に報告した時、
ありったけの祝福の言葉を言い終わった母は、
私の手を握りまっすぐ目をみつめてこう言った。

 

「私にとって、澪は本当の娘だからね」
ドキリとした。

母と私の血がつながっていないことは、
父が再婚してからの18年間、互いに触れていなかった。

再婚当時幼かった私にとって『母』の記憶は『今の母』だけで、
『義理』という意識は私にはなかった。

 

けれど、やはり戸籍上私は『養子』で、
母にとって私は父と前妻の子なので、
母が私のことをどう考えているのか、わからなかった。

 

気になってはいてもそのことを口に出した途端、
互いがそれを意識してちぐはぐな関係になってしまいそうで、
聞き出す勇気は私にはなかった。

 

だから、母の突然でまっすぐな言葉に私は驚き、
すぐに何かをいう事ができなかったのだ。

 

 

母は私の返事を待たずに
「今日の晩御飯、張り切らなくちゃだめね」
と言い台所に向かった。

 

私はその後姿を見て、
自分がタイミングを逃したことに気がついた。

 

 

 

そして、

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